「あ、もしもしだけど!」
「現在電波の届かないとこにいるか、電源が入っていません」
とあたしの思いを冷静に受け流す声。
「あ〜もぅ、どこにいるんだよ」
『伝えたいことはただ一つ』
あたしがいつも話したい時はなぜか繋がらない。
今聞いて欲しいことがあるのにな。
仕事なのはわかってる。
忙しいのはいいこと。
だけど…さすがに三か月も合わないと、こっちまでおかしくなる。
「大丈夫かな、昭仁…」
体調も気になるし、ちゃんと発散出来てるか心配。
仕事をしてれば忙しさに終われても、夜は寂しくなってくる。
眠ってしまえば半減する寂しさも、夜にはまた増える。
前よりは毎週土曜深夜に、ラジオの前で会えるけど…
聞こえるのはポルノグラフィティの昭仁で、マイクの前じゃ不安やしんどさは伝わらず。
あたしのこともどう思ってくれてるのかも、伝わってくるわけなくて。
「あたしだけが会いたいのかな…昭仁」
最後に話したのは、いつだっけ?
最後に会って話したのは…
思い出せない…。
世の中の恋してる人達も、きっとこんな思い何度もしてるんだろう。
わがままだとは自分で分かってるけど、足りなくなっちゃったパワー。
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いつの間にかベットで寝てしまったみたい。
携帯のお知らせランプが点滅してる。
誰だろ?
着信は岡野君。
「昭仁からだ!」
着信から30分もたってない、慌ててかけ直す。
「もしもし?」
「おっ、久しぶり。起きとった?」
「うん、ありがとう履歴に気付いてくれて」
「待たせてごめんね」
駄目だ、久しぶりすぎて今すぐ会いたくなってくるよ。
「この間もごめんね、舞台見に行く予定だったのにのぅ」
あ〜駄目だよそれ言っちゃあ、あたしのわがままにスイッチ入ってしまうよ。
「?聞いとる?」
「うん、聞いてる」
「ごめんね、わしもすごい楽しみにしてたんよ。
一緒に行きたくて仕方なかったんよ、今頃見てるんだろうなって…」
「ほんまに?」
「ほんまよ。あっ、疑ってるん?」
出身が違うあたしが、自然と広島弁を使ったっていうのは疑ってる証拠みたいなもん。
言われて、本心に気付いて慌てて否定しょうとする。
が今日のあたしは押さえきれなかった。
「もう、ごめんも聞きたくない」
「…」
「電話だけじゃ駄目なの、会いたいよ…」
「…」
「…会いたい!会えるまで信じられない!」
泣くつもりも、愚痴るつもりもなかったはずなのに溢れ出して止まらなくなる。
「わしも会いたかった、ほんまよ?信じて?!」
「…信じない!」
「信じて、下に降りて来んしゃい!」
「えっ!」
あたしは慌ててベットから飛び起きて、窓を開けて下を見る。
そこには車から降りて、こっちに手を降る昭仁。
受話器から聞こえる、愛しい声。
「に会いたくて、来てしもうた。愛しとぉよ、ほんま…」
聞き終わらないうちに、あたしは昭仁の元へ走り出していた。
優しく包み込んでくれる温かい場所へ。
「昭仁」
「なん?」
「夜明けまえに来てくれたね」
「そんな歌もあったの」
あたしは耳元で囁く
「あたしも愛してる」
って。
そう、結局伝えたいのはこの一言。
体温を感じられる場所で、この一言伝えられたら、それだけで。
おしまい☆
原案 07.06.27 UP 07.07.13
☆年を重ねて日々の忙しさに追われると、なかなか友人さえも連絡が取りずらく遊びにいくのも先延ばしになってしまいます。
みんな元気かなぁ?
たまには構って欲しいもんです。
そんなこと思ってたら、すらすらかけました。
一時間もかからずに。
そしたら、自然と曲が思いついて・・・・。
夜明け前ですよv
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名前は入りませんから、そっとかいてくださいな。 byラッキィ