「出来たど、なんかようわからんけど・・・」

      「は〜い、じゃぁ振り返って下さい」

   スタート地点からそれぞれの10歩。
   歩いた二人が向き直る。
   これからあたしの・・・見てもらうのか・・・いいだしっぺだけど、照れくさい。

      「歩幅の問題でちょっとスペースまで足りなかったりするかもしれないけど、調節ね」

      「わぁかった。踏まないように気をつけるわぁ。20歩?

      「そう。お互いの見るために」

      「なんか緊張するわぁ〜」

      「「せ〜の」」

   と二人で歩き始める。
   どんどん二人の距離が縮まり、二人で照れ笑ってすれ違う。
   緊張感が増す。
   お互いが何を書いたのかドキドキ・ワクワクしながら・・・・


                     『Message.3』


   後5歩・・・・ゆっくり文字が見えてくる。
  
   5・・・4・・・3・・・2・・・1・・
  
   あたしは足を止めて、ゆっくり視線を足元に下げて、ゆっくり上げて少し遠くに焦点を合わせる。
   晴一の字・・・そこには・・・




                             【なぜ、こんなにも考えてしまうんだろう。
                              考えて欲しいんだろう。
                              答えはシンプルに考えたらいいのさ。
                              自分の時間と君の時間どちらも同じくらい大切にしたいから。
                              自分のことを知って、理解して欲しいのと同時に
                              君のことどんな小さなかけらだって見つけて、理解したいから

                              強い人にはなれなくても・・・・・・・・・・そんなでいいよ】



  あたしは何度も何度も読み返した。
  目から雫が溢れ出す。
  あたしはその場に座り込んでいた。
  シンプルな、でも深くあたしに響く言葉達。
  晴一の・・・気持ち。


    「くぅ〜ん」

  とスゴロクが心配そうにあたしを見つめていた。
  あたしはスゴロクを抱き締めた。


    「読んだよ、の気持ち」

  あたしは振り返り、声の主を見つめた。
  晴一はしゃがんであたしの目を見て言葉を続ける。

    「わしら上手くやれそうじゃ」

    「えっ?!」

    「ミュージシャンのハルイチも、ここにおる新藤晴一も同じ人間じゃけ。
     だっていろんな感情、考えあるんじゃろうけど同じじゃろ?じゃけん・・・」

  あたしは大きく頷いて、晴一の大きな胸に抱きついた。
  綺麗なオレンジ色の夕日をバックに。







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     それからちょっとたったある日『ミュージック・アワー』がリリースされた。
     今じゃ夏を代表するナンバーになっている。

     雑誌のコメントで
       「ベタに言うと海に行きたくなるような感じだといいな」
     って彼は言ってたけど、見事叶いました。

     この曲でポルノグラフィティは更にファンが増えて、晴一が恐れていた一発屋にはならなかった。
     あたしはそうはならないって、確信してたけどね。


     
     まぁあれから何度もお互いにさまざまな悩みはあったけど、話すようにしている。
     言葉にするって難しいし、勇気がいるけど。



     え?あのときあたしがなんて砂にメッセージを刻んだかって?
     知りたい?あたしはなんてこと書いてるんじゃ!!って今でも思ってるけど。





                              【ハルイチの詞が好き。
                               演奏している姿も好き。
                               スゴロクと戯れてる姿も。
                               お酒飲んで酔っ払ってる時も。
                               野球で思うようなプレーが出来なくて悔しがっている時も。
                               どんな晴一だって好きなんだ。

                               ただそれらを独り占めしたくなる自分が嫌い。ごめんね。  】


    ・・・・・・・・・・・・その横にはあたしの大好きな彼の笑顔の似顔絵を添えて・・・・・・・・・・・・・・・







                                                 end






原案 04.07.11〜14   UP05.07.03 17:30

☆珍しい連載物?です。わけあって3話はコノ時期にUP。実は打ち込みは2話と同じ。その他のこぼれネタは近日バックステージにて書き込みします。まずはこの感想頂けたら嬉しいです。