♪ピンポーン
あたしは晴一の家のチャイムを鳴らした。
「おはよう。起きてますかぁ〜?」
ガチャ
ドアが開いて、晴一が顔を出す。
「おはよ〜入りぃ〜。まだ準備出来てないけ、待っとってくれる?」
あたしは頷いて、お邪魔させてもらうことに。
『Message.2』
わりと片付いているけど、テーブルには白紙の原稿と走り書きのメモ。
その周りやゴミ箱にはクシャクシャに丸められた紙がたくさん。
あ・・・!!締め切り近いのかなぁ?
あたしがここにいてもいいのかなぁ?
アイデア思い浮かぶと一気に書きたいんじゃないかなぁ?
あたしだったら邪魔しないで欲しいかも。
詞を書くのだってこだわりがあると思うし。
一発屋になりたくないって気持ちが強くて、いい作品を作ろうと日々頑張っているしな。
あたしのわがままのために、あたしに気を使って誘ってくれたかもしれないし・・・・仕事の方が・・・
「あの・・・ごめんね。大丈夫?仕事」
片付け始めた彼にあたしは声をかける。
「気にせんといてや。実はわし、今スランプ気味でアイディア浮かばんのよ」
と、苦笑して
「じゃけ気分転換。のぅ、スゴロク?」
主人の声に愛犬は嬉しそうにしっぽを振る。
「じゃぁ、スゴロクのおやつも準備しとくね」
彼の言葉に安心して準備をして、あたしは彼の車に乗る。
車内にはラジオのDJが最新ヒットを流す。
普段の何気ない話をするうちに目的地に着いたよう。
「、着いたど」
彼が連れて来てくれたのは海だった。
「やっぱ海はえぇわぁ〜」
さすが海の近くで育っただけある。
よく男は山好きな傾向が強いって聞くけど、彼は両方だな。たぶん。
本当に海はいいね。
嫌なことも忘れて、イライラ気分も無くなりそう。
「ほらわしら海が近いけぇ、落ち着くわぁ〜。通学路自体が海沿いじゃけぇ」
波打ち際を歩く二人。
スゴロクは二人を追い越して、気持ち良さそうに走っている。
まだシーズン前だけあって、海岸は二人だけのプライベートビーチのよう・・・・・なんちゃって。
あたしはサンダルを脱ぎ捨てて、波と戯れる。
なんか童心に還るというか〜。
そこにスゴロクもやってくる。
そんな二人と一匹を見て、晴一も裸足になって水掛けをする。
二人と一匹の時間を取り戻すかのように、子どもみたいにはしゃいだ。
「はい、コーヒー。スゴにはおやつがあるからね」
彼に缶コーヒーを渡し、バックから犬用のおやつを出す。
夢中になって食べるスゴロク。
「サンキュ、。なんかさぁ〜小さい頃おもいだすわ。
わしら夏は海で素もぐりとかしよったけど、
冬はタニシみたいな貝”ニシ”って呼んでたんじゃけど貝堀りしょったんよ」
「自然満喫してたんだね、いいなぁ」
「食べるとうまいんよ。
それがないと晩飯がないってわけじゃないけどのぅ」
と、楽しそうに晴一は話してくれた。
そんな貴重な話が聞けて、なんだかあたしは嬉しくなった。
「ねぇ〜ちょっといいかな?立って、後ろを向いて、前に10歩歩いて下さい」
あたしの提案に?マークの晴一。
「なんしょん?」
「ちょっと、ねっ。ここがスタートラインね」
あたしは近くにあった石で砂に線を書いた。
晴一は立ち上がってスタートラインに立った。
あたしは晴一と背中合わせになり・・
「せ〜の、1・2・3・・・・・」
と、あたしの合図で前にそれぞれ歩く。
10歩目で振り返り、晴一に次の指示を提案した。
「そこに、何か書いて発表ねっ」
「なんでもええの?」
「うん。出来たら教えて。よ〜いスタート!!」
あたしは合図をして、それぞれ棒や石で砂に何かを書き始めた。
Next.....
原案 04.07.11〜14 UP11:28 2005/06/18