『名店ほど近くにあり?』
ずっと昔からあった店だけど。
学生の頃はお金がなくてとか。
地元の知り合いに会うかもしれないって。
場違いかもしれないしとか思って入ったことない。
そんな経験ありませんか?
「のぅ?なんか食べたいものないん?今18時じゃけど」
「そうだね、何がいいかな?」
と考えるあたしっていいます。
運転手はギタリストで作詞も作曲も手掛ける晴一君。
ひさびさのオフで、今ドライブの最中。
あたしと彼は遠距離恋愛っていうのをしている。
だからこうして過ごす時間は、とても貴重な時間に感じる。
「そうだな〜あっ!行きたいお店あるんだ。リニューアルしたとこでね」
とあたしはお店の説明をする。
地元の人が知っているお店。
学生の頃は、地元だと恥ずかしくて入れなかったけど今なら入れるかな?
それに芸能人の彼と一緒だし、変にファミレスもと思って。
「ふぅ〜ん、そこどこにあるん?」
あたしは店をナビする。
車を10分も走らせないうちに店に着く。
「いらっしゃいませ!何名様ですか?」
とウェイトレスに迎えられる。
店内を見渡すと観葉植物がいくつかあって、ランプの証明がかわいい。
席に案内されて、あたしは晴一君と一つのメニュー表を見る。
「何がいいかなぁ〜、あれもおいしそうだしな」
ってあたしはいつも、決めるのに時間がかかる。
彼は文句言わず、本気で迷うあたしを優しく見守る。
悩んだ末に、この店の自慢であろうチーズハンバーグにする。
「ごめんね、いつも優柔不断で」
「ええよ。本気で考えとる表情も好きよ」
といたずらっぽく彼は微笑む。
この笑顔にあたしは弱い。
注文後あたしは再びメニューを見る。
「ここも気になるんだよな〜」
「どこ?」
あたしはモーニングセットの、トーストの欄を指差す。
「あたし憧れているんだよね。モーニングセットに。
でも何時からで何時までかわからなくって」
「ここに書いてあるよ。
は季節限定とか期間限定とかセット好きよねぇ〜」
「話の種にってね。くせかも!」
「じゃあ、こっちは?」
とまぁたいたずらっぽい笑みで、メニューのトースト欄を指差す晴一君。
「それは…君の影響です」
と照れつつ答えるあたし。その答えに満足げな彼。
74ersのツアー中、彼がはまったチーズトースト。
簡単でおいしくって、今の所失敗作に当たらない。
料理下手なあたしにはぜひ参加したい部だ。
彼が所属のカレー部もね。
あたしは隠れ部員してますけど。
「わしの特製も、今度ごちそうしちゃるけぇの!」
と晴一君は言う。
ほんと料理上手で、おいしいお店を知ってる彼を、あたしは心から彼を尊敬してしまうよ。
「おまたせしました」
運ばれたチーズハンバーグからはおいしそうな湯気。
一口切り分けて
「晴君、味見してみて一口!あ〜ん」
「なん!?恥ずかしいじゃん」
「だっておいしそうだし温かいうちがいいでしょ?!」
とあたしは真面目に何答えてるんだか。
「あ〜もぅ、わぁ〜かった」
と照れつつ晴一君は目を閉じて口を開けて食べた。
「うまいじゃん!」
それを聞いて、なんだかんだ言って答えてくれた彼にあたしは満足。
晴一君の頼んだメニューも来る。
さすがカレー部。
「ほら味見!」
とあたしの口元にカツカレーの乗ったスプーンが近づく。
「えっ!」
「前食べたい、言うてたじゃん」
仕返しっぽい気もするが、照れつつぱくりと食べる。
「やわらかいし、おいしいよ!」
「そっ」
と満足げに微笑む彼。
おいしいものを一緒に食べれるっていいもんだね。
美味しさ倍増。
味見のコミュニケーションで嬉しさ倍増。
二人の仲も?!
前に友達が
「デートでは食べ物とか、お店って気を使うよね。
牛丼やカツカレー食べれるまでさ〜仲を深めるのが大変」
って言ってたけど、あたしの場合は合格なのかな?
「ごちそうさまでした」
と会計に向かう。
「ポイントカード作りますか?」
定員に聞かれると、晴一君が言った。
「また、来る予定なんで。二人で」
二人で店を出ると、あたしはさっきの言葉を思い出して、晴一君の腕に抱きつく。
「急にどうしたん?」
「寒いんだもん」
とあたしはごまかしたけど、なんか嬉しくて。
晴一君の車に乗って、(今度これるのはいつだろう)なんて考える。
「また、こようね。新しいとこも発掘してみるね」
「楽しみにしとる」
外は秋の気配でやや肌寒い。
でも、車内は…心は温かい。
窓から見える月は優しく地上を照らしていた。
おしまい
原案 04/10/03 UP 06/03/06
☆過去の原案だとか、UPが秋の話なのに今頃?とか♪いいっこなぁ〜しょ♪感想お待ちしております。