『チェンジ☆9話』
ホームに残された二人。
しばらく沈黙が二人を包む。
願っていたことなのに、近づけて現実に戸惑う。
一体これからどうして行ったらいい?
あたしはどうしたい?
昭仁さんはどんな気持ちで受け入れてくれたの?
勢いで引き止めてくれたとしても…嬉しかったけど。
今はどんな気持ちなんだろう?
沈黙を破ったのは昭仁さんだった。
「Fちゃん、場所変えようか?」
彼はそぉ〜っと、あたしをシャツのポケットへ導く。
あたしは少し戸惑いつつも、ポケットの中へ。
こんな近くにいさせてもらっていいのかな?
彼はゆっくり歩き出す。
あたしはゆっくりと上を見上げる。
大好きな人の顔がこんな近くで見える。
首筋に汗が流れる。
本気で走って来てくれたのかな?
あたしはドキドキが止まらなくなる。
重なるかのような早さで、彼の鼓動も早くなる気がする。
温かいなぁ。
このままでいたいなぁ。
車のドアを開けて、昭仁さんは運転席に乗り込む。
助手席に座る人に、笑顔を浮かべた。
そして携帯をその人に差し出す。
受け取ったその人は
「おかえり。Fちゃん!間に合って良かったのぉ〜昭仁」
あたしはシャツのポケットから顔を出して、会釈する。
「わし、キューピッド!?」
と晴一さんはあたしにウインクした。
昭仁さんは
「何ね?キューピッドって?」
「こっちの話〜♪さぁ〜て、わしもお前んちに連れてってもらうかのぉ」
「わ…わしんち?!」
「さっき、昭仁んちに忘れ物をしたんよね。次の曲のデモテープ」
…ということで昭仁さんちに、お邪魔させてもらうことになった。
「お…お邪魔します」
ポケットの中なもんで、もうお邪魔させてもらっているんだけど…ね。
「ここで待っとって」
とあたしをリビングのテーブルに乗せると、二人は探し物を始める。
テーブルの上をには読み掛けの漫画。
…その下には同じような色の封筒が何通かあった。
封筒に見覚えがあった。
…もしかして…。
あたしは封筒に歩み寄る。
漫画が取り除かれて、あたしはその方向に目を向けると晴一さんだった。
「全部Fちゃんからの手紙よ!
Fちゃんがわしんちから出て行ってしもうた時に、彼女に見覚えないん?って言うたんよ、わしアイツに」
晴一さんは椅子に座って話を続ける。
「今朝、ここを訪ねたんよ。 そしたらアイツ手紙読み返していたんよ。
わし携帯差し出して、これでええの?って言ったらアイツ、家飛び出したんよ」
と優しい笑顔をあたしにくれた。
「ちょっと、Fちゃんに言っときたかったんよ。 デモテープはわしんちにちゃんとあるけぇね」
と今度は悪戯をした少年のように、微笑む。
別の部屋を探して来たのか、昭仁さんが部屋に戻って来る。
「何、さぼってんのん?晴一、テープあっちになかったし。ほんまここに忘れたんか?」
「そぉ〜か、じゃもう一度わしんち探してみるわっ。
Fちゃん、昭仁に何かされたら、すぐわしの携帯に電話しんちゃいよ!」
あたしは晴一さんの心遣いと、昭仁さんとのやり取りを見て思わず笑顔になる。
「あ〜もう!何言っとんの!晴一。Fちゃんも〜」
と昭仁さんがかわいらしい。
「残りのオフを楽しくね」
と晴一さんはその場を去る。
続く…
原案04/07/09〜09/19 up05/09/29
☆
晴「結局勿体ぶらずにupすることにしたんじゃ」
ラ「だって、キューピッドの仕事があったもんね」
晴「ほうか。まぁ、わしが言わんと、二人は次のことも頭回らないだろうしね」
ラ「しかし、晴ちゃんの心遣い素敵☆昭仁君が読み掛けてた手紙が、テーブルにあるのもいいでしょ?」
晴「そうね、すぐに駆け付けたみたいな感じで。」
ラ「読み掛けのは、漫画とか本読むって聞いたから。寝る前に見たんでしょうかね?」
晴「かね?ってラッキィが書いたんじゃろ?わしもわからん、昭仁は?」
ラ「今回呼んでないよ。晴ちゃんピックアップだもん」
晴「Fちゃんに会わせろ〜!二人が気になるんじゃ」
ラ「駄目っす。それは次回をお楽しみに」