『チェンジ☆』
「今、彼は何してるんだろう?」
あたしは昼休みにそんなことを考えていた。
今に始まった事じゃないんだけれど。
仕事や趣味をしている時とか、友達と話している時とか、何かに集中していればそっちに気が向いて楽になるのかもしれないな。
まぁ、仕事する上で楽なんてないんだけどね。
仕事の人間関係ってヤツはほんと"いつでもアンテナを立てとかなきゃ!"ってくらい気を使うもんな。
"四六時中も好きと言って…"なんて歌があったな。
一日中…いつも、常に考えているあたしは…何かしている時でも、彼ならこうするかな?こう言うかな?って思っているタイプだ。
でも、そんなこと考えて嬉しくなるけど悲しみもある。
だってあたしは彼に一方通行の片思い。
専用または優先の道路を走れるのはいつなんだろう…。
その片思いのお相手というのが、ポルノグラフィティというバンドのボーカリストである。
'99年にメジャーデビューして、新人とは思えぬ衝撃を世の人々に与えた。
広島県の因島からの幼なじみに近い、タイプの違う三人。
あたしが彼等のことを詳しく知るのは後々の話になるが。
彼等の人柄・考え・音楽に対する姿勢、ライヴのMCのトークと演奏のギャップが良い。
伝えたいメッセージはあたしにとって新鮮で。
世の中の人々もそんな彼等の世界に魅力を感じて、今も旬なトップアーチストとしてこの音楽の世界で輝いているんだと思う。
有名人なのだ。
一般人のあたしが入る隙間がない。
天秤だって釣り合わない。
一方的な恋なのだ。
あたしは彼等を一人の人として尊敬している。
その人として、ファンとして好きである以上の感情を感じてしまったのはあたし自信も驚いた。
ファンになって、働き始めて、自由に使えるお金が手に入った頃、ずっと行きたかったライヴに仕事の合間に行けたのである。
初めてのライヴで生の彼等に会えて、歌を演奏を聞けた。
生のトークに満足だった、なのにあんな近くで彼等と会えるなんて…、しかも…。
そんなきっかけであたしは、特別な感情を持ってしまった。
それに気付いたのはライヴからまもなく。
そして今もその感情と付き合っている。
彼等の、彼のファンが星の数ほどいるってことに後で気付かされたわけだけどね。
それからのあたしは、今まで以上に彼等に敏感になっていた。
情報を手にいれる度に一喜一憂して、現実を感じ落ち込みつつもつい夢見がちになったりして。
スタッフさんになりたいな、マネージャーさんは足りているんだろうな。
いっそ透明人間にでもなってみたいなんて…アホなことを考えるまでになっていた。
ある日の晩、あたしは夢を見た。
幼い頃のあたし?だろうか。
彼女はエプロン姿の女性にこう話し始めた。
「先生、あのね。私大きくなったらリカちゃんになりたい!
だってず〜っと年をとらずにいられるでしょ?体も大きくならないでしょ?」
女の子は目をキラキラ輝かせて話しを続けた。
「服はお気に入りの何度も着られるし、それにね…」
女の子は話し続け、先生と呼ばれた女性は困惑気味になりながらもメモを取っている。
文集に載せるコメントだろうか?
あたしはそんな女の子と女性のやりとりを「子どもの時はいいねぇ〜」と思いながら見守っていた。
すると、あたしの肩をポンポンと叩いて
「ちゃん、それ叶えてあげようか?」
と天使のような衣裳のような女性が小さな女の子ではなくあたしの目を見て言った。
「えっ?!」
なんで…あたし?叶えてあげるべきなのはあの女の子でしょ?!
「願い事…あるんでしょ?!」
「だから!あたしじゃなくて…あの女の子に言ってあげて下さい!」
天使はあたしの言葉に頷き、にっこりと微笑む。
女の子に目を向けて、再びあたしの目を見て
「身を焦がすような恋に出会ったなら、猪突猛進」
「……!?」
「恋の成就へと精進いかが?」
天使がそう言うと天使の輪が光り、あたしはまぶしくて、つい目を閉じた。
続く…
原案 04/07/09〜9/19 up05/08/27
*昭仁君の長編スタートです。
基本的に短篇得意の管理人、何話まで続くやら?応援よろしくお願いします☆
では次回。