『ビンゴ』
 
 今日はひさびさのオフ。
 いつも彼女には寂しい思いをさせとるし、今日はとことん付き合うつもりなんよ。

 彼女の希望で秋物の服を見に、ひさびさに街に出た。
 愛車を走らせて目的地へと向かう。
 車内は他愛ないおしゃべりで盛り上がる。
 運転手は、わし岡野昭仁。
 助手席に座るのはk。

 
 車のキーをかけ、わしは左手を差し出し手を繋ぐ。
 目深にキャップにお気に入りのふち有眼鏡。
 オーラがないって言われるから、最近じゃプライベートでも襟立てとるんじゃけど…
 誰も気付かんの?
 かわぇえ彼女と仲の良さを見せつけたい言うんにぃ〜。


 
 しばらくわしは、彼女のウィンドウショッピングに付き合う。
 はわしが仕事で着ていたコートが欲しいと言っている。
 メリッサの頃と言う。
 かわぇえのぅ。
 何着か秋物を買った彼女は満足げ。
 コーヒーショップで休憩をとることにした。


 わしが気になるのは…。

 「のぅ、わしってオーラないんかのぅ?」

 私服でも襟を立て、アピール実行中なんじゃけど…。

 「なんで?そんなことないよ」

 とは?マークのままこちらを見ている。
 
 そうかのぅ?
 わしは気付かれたいんじゃけど。

 まぁ、いいや。

 「この後何しょうか?」

 と話題を変える。

 「友達から聞いたんだけど、二階のゲーセンで…ビンゴ…やってるんだって。休日はね」

 と少し申し訳なさそうな、恥ずかしそうに話す。

 「行ってみる?」

 「えっ!?いいの?…でも、目立っちゃうよ」

 それがちょっと、狙い目なんよ。

 「大丈夫!もし、危ない時は逃げたらええんよ」

 とわしは彼女を安心させる。





 二 階に行くとクマのぬいぐるみから、カードを貰う。

 「連番じゃないね〜」

 とkはわしのカードを覗き込んでいる。
 と番号を確かめ合う。

「あっ、同じ番号あるよ!選ばれるといいね」

と嬉しいことを言ってくれる。
笑顔が近い、やっぱりかわぇえわ。



「お待たせしました。それでは始めたいと思います」

と司会の人がゲームと商品の説明をして、アシスタントのクマが福引を回して番号の書いたボールを渡す。


次々と番号が読まれ、答え合わせをするわしら。

「すごい!リーチだよ」

「ほんまじゃ!」



「74番」と次が呼ばれ、わしが手を上げようとするとが裾をひっぱった。



「や、やっぱりあたしが代わりに行く」

と商品を取りに行った。


五番目はオーブントースター。
一番のゲームキューブ狙っとったけど、仕方ないね。運じゃから。




「あの〜すみません」

と後ろの女性に声をかけられる。
わしが振り返ると

「もしかして、ポルノグラフィティの昭仁さんですか?」

ともう一人の女性が尋ねる。

わしはやっと気付いてくれた嬉しさに

「そうですけど…」

と答えたら、戻ってきたに否定された。

「よく、似てるって言われるんですよ〜」

その作り笑いが痛々しい。

「あっ、用事思い出した」

にリードされてビンゴ会場を後にする。




は無言のまま、駐車場に向かう。

「ここで待ってて」

とわしは愛車の中で彼女を待つことに。




怒っているのかな?
わしが気付かれたかったこと。





10分後、運転席側に彼女がやって来て口パクで「窓開けて」と言った。
コーンアイスを差し出され、思わず受け取る。
は助手席に座って

「秋の新作食べたかったんだ。10分も待たせてごめんね」

と謝る。

「ええよ、まず食べよ」

アイスを食べる彼女はとてもおいしそうに食べる。
そんな彼女を見て、わしもなんだか嬉しくなる。

「大好きな人と同じ食べ物食べれるって 幸せ」

が話す。
わしは頷く。

「さっきは、ごめん。わしのこと気付かれたくなかったんじゃろ?」

「あたしは自慢の彼氏をみんなに気付いて欲しいなぁって思うけど…」

わしと同じ?

「実際は嫉妬しちゃった。
普段はテレビやライヴ見て嬉しいんだけど、あたしだけの彼でいて欲しい時もあって」

わしは、相槌を打つ。

「あたしがファンだった時は、恋人の噂を聞いて不安だったし。
ファンの人であたしの存在知ってショックなことあるかもしれないし…
会場パニックになったらとか…
変な態度とってごめんね」

「ええんよ、わしら似てるのぅ。
わしも会えない時何してるんか?心配じゃもん」

とわしは彼女の頬を撫でる。

「離れたくないなぁ〜」

ってわしの手に小さな手を重ねる彼女を愛おしく思う。
キスしてしまいたい衝動にかられた時、彼女は思い出したように言った。

「オーブントースターどうしょうか?」


「「晴一(さん)呼ぶ?」」

とわしらの声が重なる。
思わず二人で笑う。

なんかビンゴで当たるよりも、わしらの気持ちが重なるビンゴの方が何倍も嬉しい!
こんなビンゴを重ねて、わしらの仲が深まるとええと思っとる。
まぁ、キスはお預けみたいじゃけど。


 エンジンをかけて、わしは自宅へと向かう。

 「じゃ、晴一に電話してみて」

 は頷いて、早速電話してる。

 「です。晴一さん夜時間あります?トーストパーティーしょうと思って」

「オッケーですね!
じゃ、材料買って帰るんで。
昭仁君ちに来てもらえます?時間は…」



おしまい☆



 原案 04/09/12〜23、10/20                UP 06/01/22

 だいぶUP遅れました。。秋の話じゃんけ。
 感想お待ちしてますvv